2013年7月26日金曜日

総脂肪と脳卒中・糖尿病

Braunwald抄読会の続きです。

「総脂肪摂取量と脳卒中の関連についてのエビデンスは様々なものが混在しています。
長期的な観察研究では有意な関連がないか、或いは逆相関(防護的、即ち総脂肪摂取が増えると脳卒中が減る)する結果となっています。
その防護的作用が本質的に総脂肪の摂取と関連しているのか、または他の栄養素(例えば、脳卒中リスク低減作用を有する可能性のある動物性タンパク質または飽和脂肪)と関連しているのかは明らかではありません。
WHI試験では、少なくとも24%〜38%Eの範囲内の総脂肪摂取は、女性における脳卒中発症にほとんど影響を与えていないという結果が示されています。


また、低脂肪食が、糖尿病発症を予防したり、血糖コントロールを改善するというエビデンスはほとんどありません。
前向きコホート研究では、総脂肪摂取と糖尿病発症の関連は見いだされていません。

WHI試験では、8.1年以上の経過で、総脂肪の少ない食事は、1.9kgの体重減を認めましたが、インスリン抵抗性の評価指標(HOMA-IR)または糖尿病発症に影響を及ぼしませんでした(RR0.96, 95%CI 0.9-1.03)。
事後の分析では、よく遵守した女性においてごくわずかに糖尿病発症頻度が低下した(P =0.04)ことが示唆されています。しかし、コンプライアンスを決定する他の要因がその結果のバイアスになっているかもしれません。

総脂肪の%Eが減量又は過体重又は肥満にほとんど影響を及ぼさないことを示唆するエビデンスも出てきています。」

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